ユーロ/円相場は、10月8日の1ユーロ=131.15円をボトムに、133円台後半まで切り返す展開になっている。10月入りしてからは、米財政協議の先行き不透明感がドルと同時にユーロの上値も圧迫し、ドル/円相場に連動する形で地合を悪化させた。ただ、その後は最終的には財政協議を巡る合意は可能との楽観的な見方が優勢になったことで、ドル/円相場の切り返しと連動してユーロ/円も地合を引き締めている。
10月入りしてからは、ユーロサイドの動向は殆ど材料視されていない。米財政協議を巡る思惑からドル/円相場がどのように動くのかが最大の関心事になっており、ユーロサイドから何か積極的に仕掛けるような動きは見られない。10月10日、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は、「金融市場のボラティリティが夏の初めにみられた水準まで再び高まる場合、追加利下げに明示的に備える緩和バイアスを採用することを政策委員会は全会一致で承認している」と語ったが、特に材料視されていない。8月のユーロ圏、ドイツの鉱工業生産指数は市場予測を上回り、ユーロ圏経済の底固さが再確認されているが、この辺も余り材料視されなかった。目先は特にユーロ圏サイドで注目度の高い指標発表はなく、ドル/円主導の展開が続く見通し。
米財政協議であるが、未だ民主・共和党は合意に達していない。ただ、最終的に米議会が党利を優先してデフォルトを選択するとは考えづらく、ドル/円連動でユーロ/円相場も再び地合を引き締める流れがメインシナリオになる。ユーロ/円相場は近く、年初来高値更新を試す方向で見ている。
テクニカルでは、一目均衡表の雲上限(130.98円)を試すことなく、転換線(132.49円)、基準線(133.05円)を回復。当面は転換線を支持線に、9月19日高値134.95円を試す流れになる。サイコロジカルは、前週の7勝5敗から変わらず。14日RSIは60.21。